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今では生物学や遺伝学では当たり前に言われるようになった利己的遺伝子論を一般的に広めた歴史的名著!
著者のリチャード・ドーキンスは過激な無神論者としても知られる。

まず生物とは何を目的に日々生きているのか?
ごく簡単に言ってしまうと、自らの遺伝子を遺伝子プールにより多く残すために生きている!
細胞ひいては身体は、遺伝子が操る乗り物でしかない。

生物は自分の遺伝子をより多く残すために利己的に振舞っている。
一見利他的に見える振舞いでも、遺伝子の観点から考えると全て利己的な行動となる。
例えばミツバチを例にとると、働きバチは女王蜂が生んだ卵をせっせと世話をする。
自分の子ではない、すなわち兄弟姉妹を世話しているため、一見家族の為に利他的に振舞っているように見える。
ところが働き蜂とは全てメスなのだが(オスは交尾の後、すぐに死んでしまうため遺伝子の水平伝搬の役割しか担わない)、メスは有性生殖の結果生まれて、オスは無性生殖で生まれる。即ちオスは半倍数体。
詳しい計算は省くが、その結果姉妹同士は父由来の遺伝子は全て共通の為、3/4量の遺伝子を共有する。
それに引きかえ、メスは有性生殖で娘を生むにしろ、無性生殖で息子を生むにしろ、実子との遺伝的繋がりは1/2になってしまう。
ということは自身と同じ遺伝子をより多く後世に残すには、子を増やすより姉妹を増やした方が効率がいいのである!さらに言うと女王蜂が働き蜂に世話させているのではない、働き蜂が女王蜂に生ませているのだ!

またライオンのような子育てに無頓着なオスの振舞いにも説明がつく!
メスが遺伝的繋がりのある子を育てるのは理解に難しくないだろう。
オスから見るとツガイの間で生まれた子とはいえ、実の子という確証を持てない。もしかしたら他のオスとの間に生まれた子かもしれないから。
メスからみると旦那は誰であれ、腹を痛めて生んだ子なら確証を持って育てられるが、オスは下手をすると赤の他人に余計な労力を使いかねない。
だからオスはメスほどには絶対に育児に熱心になれないのである!

その他、「ミーム」という概念が本書で初めて登場した!
生物がここまで進化すると、生物を介して自己複製するのは遺伝子だけではない。
言葉や文字を介して、脳から脳へ情報も拡散する。これがミームである。

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