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著者:大前研一
出版社:プレジデント社
1999年11月9日発行

これは新装版で読んだが、もともとは1975年に出版された長く読み継がれてきた名著。ビジネス雑誌でこの存在を知り、企業勤めとして読まなくてはと思い立って購入した本。

戦略的思考とはまず物事の本質を考えることから始める。
問題に取り組む際にも、どうしたら良いかと漫然と投げかけるのではなく、解決策思考的に設問する。例えば「残業を減らすにはどうしたら良いか?」だけではなく、「当社は仕事量に対して十分な人が居るか?」や「当社は仕事の量と質に対して人間の能力がマッチしているか?」と設問すると、YesかNoかの答えしかなくなるので分析しやすくなり、掘り下げれば問題の本質に到達しやすくなる!このように解決策思考的に設問すれば、途中経過はどうであれ自ずと一つの解にたどり着く。
では設問を解決思考型にするにはどうしたらよいか?
ここからが難しく面白いところでもあるのだが、起こっている事象から問題点を取りこぼしなく書き出しグルーピングして抽象的に掘り下げる。仮説を立てたら分析により立証/反証を繰り返して実行計画を具象化していくのである。

また企業戦略の話では、戦略的改善の方向軸をまず三つ(著者曰く、最低三つ決めるとのこと)立てる。さらにそれらの軸の各々に、いくつかの分野がある筈である。あとはそれらの分野を、競争相手の戦略を想定しつつ、一つずつ攻めていくのである。

ここではざっと纏めただけなので分かり辛いだろうが、もちろん本書では例を交えて書かれているので是非読んで頂きたい。会社の経営方針とはここまで深く考えなくてはならないのか!!と驚かれること請け合いである。レッドゾーンへ