患者の点滴に異物を混入させて、入院患者を死に至らしめるという事件があったとのこと。
これだけでも衝撃的な事件であり、一刻も早く犯人が特定されることを願い、犠牲になられた患者様のご冥福をお祈りしたいところである。


日刊スポーツ「点滴異物混入に「普通は気付く」大口病院殺害事件」
http://www.nikkansports.com/general/news/nikkan/1715669.html 
 

 ただこの事件、化粧品業界にも多少なりとも影響が出そうだなと感じたので、今回ここで記事にしたいと思う。

異物として混入されたのは「界面活性剤」とのことであるが、
(おそらく洗剤か漂白剤?)
 この報道を受けてきっと 界面活性剤=人体に悪いもの と認識した人も結構いるのではないか?

化粧品には界面活性剤を配合した製品がいっぱいある。
そうすると 界面活性剤を配合した化粧品⇒人体・環境に悪い化粧品 と盲目的に結び付けられてしまうのではないかと心配である。

学校で化学の授業をちゃんと聞いていた人であれば界面活性剤とは、
水と油のような性質が異なる物質らの間で仲立ちの役割を成す物質であり、
天然にもごく身近にたくさん存在しているものであることをご存知であろう。

たとえば牛乳にはカゼインというタンパク質が界面活性剤の役割をして、脂質が安定して分散状態を保って居られるわけだし、
細胞膜を構成しているリン脂質も界面活性剤の一種である。

界面活性剤が存在するお陰で、生物は炭化水素等を上手く取り入れることが出来て、エネルギーの貯蔵も可能になっている。
化粧品においては、油分が水分の中に(もしくは水分が油分の中に)安定して分散した状態を保つことを可能にしているので、化粧品を製造する上では必要不可欠とも言えるだろう。

化粧に原料として使われている界面活性剤はきちんと安全性が確められているのが配合されているので、
愛用者様にもそれを理解して頂ける事を願うばかりである。